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佐久間の今週の一冊

2013年04月01日 日記

今週の一冊は阿川大樹さんの「インバウンド」です。
インバウンドとは・・・・通販等で利用するコールセンターお仕事。
電話を受けることを意味するのだが、プロとしての対応はいかにしてお客様に感謝してもらって会話を終える。顔が見えないから安心な面もあるかもしれないけれど、顔の見えない相手の声だけを頼りに対応するのはかなり大変で、相手が何を求めて電話をかけてくるのかわからないだけに、対応する側の知識と会話テクニックは重要で、どんな仕事でも携わる仕事に対しての知識は自分で掴み取っていくしかない。
沖縄から意地を張って東京の短大に進学し、それなりの会社に就職した理美。 現実は甘くなく、リストラされ両親に内緒で戻った沖縄でゲストハウス暮らし。 ハローワークで紹介された仕事はコールセンターだった。日々、いろんな困ったタイプの人から電話がくるセンター。 コールセンターの内実がリアルに描かれています。 うまくさばいていく先輩に憧れたり、ヘルプに入ってくれない上司にいらいらしたり。 そして、電話応対のコンクールを目指せという業務命令が理美に。
コンクールの結果は残念ながら二位であった。優勝者は当時の上司であった、我那覇。新しい上司が来て去って行った元上司だった。我那覇を理想の上司としていたため、複雑な心境であった。東京で働いていた時、リストラされて傷心の中故郷の沖縄に帰った理美は、電話対応コンクール今この舞台に立つことが想像できたのだろうか?自分に自信がついた理美の人生は劇的に変化していく。
個人的に興味深かったのは、オペレーターが芸名を持っていたこと。芸名をもつことで、「本当の自分」と切り離して仕事できるので、冷静に働け、仕事を背負い込むこともない。本当の笑顔よりも、「ウィスキー」と言った方が顔が笑顔になるという事。
 「プロとして応対するのに、真心は要らない。真心があっても必ずしも伝わらない。大事な事は真心を込めて対応してもらったとお客様が感じる事。」 だった。
通販の電話を対応している人たちは皆プロ意識の高い人たちです。
そんなコールセンターの小説で非常に読みやすい本でした。

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