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今週の一冊「フィッシュストーリー」

2013年05月27日 日記

今週の一冊は伊坂幸太郎さんの「フィッシュストーリー」です。

この本は中短編集で、中でも「ポテチ」が印象に残りました。

空き巣を職業とする今村とその彼女の大西。

二人はふとしたことから、地元の人気野球球団の万年控えの尾崎という選手の部屋に空き巣に入る。

歳も近かった今村はその尾崎が地元が一緒だったこともあり、個人的に応援していた。

ナイターをしている夜に空き巣に入った二人は、突然家にかかってきた電話の留守番電話をきいてしまう。

「またあの人に追われているんです。助けて下さい」と若い女性の声だった。

とても気になった二人は、おせっかいながらこの案件に手を出す。

その若い女性を見つけ出すに成功したが、その女性に手を出していた男は実は彼氏だった。

美人局だったという事に気づいた今村は怒りを覚える。

その二人に復讐しようと、二人の家を割り出し空き巣に入るが、警察を呼ぶぞと一蹴されてしまう。

カップルの喧嘩にたまたま居合わせた尾崎が仲裁に入ったことが、気に入らなかった。これが原因だった。

怒りの収まらない今村は自分の上司といってもいい、かなりこわもての黒沢に相談をする。

黒沢はあることを思いつく。ただ単にあいつらを痛めつけるだけではつまらない。

尾崎の活躍の場を与えられるように仕向けようといった。

作戦はこうだ。

地元の人気球団の監督はかなりの女好き。サインくださいと宿泊先に行けば断らないはずがない。

案の定作戦はうまくいった。

その話をネタに監督に電話でこう言った。尾崎を目立つ場面で使ってくれと。

その試合を見に行った今村と大西。

試合は緊張感の抱えた投手戦。七回裏に動きあった。ツーアウト満塁、この機会は絶好の見せ場だった。

その三球目・・・・白球はスタンドに消えたのだった。

今村のヒーローだった尾崎が真のヒーローになった瞬間だった。

その後わかったことだったのだが、実は尾崎と今村は同じ病院で出生していた。

当時病院出産が主だったが、出産量とスタッフ数のバランスが悪い時代だった。

14年間の間に32件。この数字は赤ん坊の取り違いの数字だった。

今村の母親は、同じ病院で生まれたのにこんなにも違うのかね。などと言っていたがまさか本当に赤ん坊の取り違いとは思いもしない。

運命ともいえる二人の出会い。大ファンだった今村があるいみ尾崎のピンチを救ったのだった。

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