「人生で大切なことはマクドナルドで教わった」佐久間の今週の一冊
2012年10月29日 日記
今週の一冊は、鴨頭嘉人さんの「人生で大切なことはマクドナルドで教わった」です。
鴨頭さんは大学入学のために上京した際、マクドナルドと出会い、アルバイトとして4年間。正社員として21年間日本マクドナルド㈱
に勤めました。98年新規開店した店舗の店長として、お客様満足度1位、従業員満足度1位、セールス伸び率全国1位の三冠を達成し、「最優秀店長」に選ばれました。
マクドナルド初の「グループ運営店長」たオペレーションコンサルタント、本社人事部での採用担当などを経て独立。
現在は「サービス業で世界中の人を幸せに」をテーマに、講演やコンサルティングなど活動されています。
マクドナルドは全国に3300店舗。誰も知らない人がいないと行っていいほど有名な企業です。
そこで働くアルバイト・スタッフは16万人。過去にアルバイトをしていた人数は集計260万人を超える。
人生ではじめてお金を稼ぐ経験をした場がマクドナルドだったという人も少なくありません。
そう考えるとマクドナルドという職場は単なる飲食店ではなく「人を育てるインフラ」という面も併せ持っています。
カウンターの前から見ている世界と内側では、まるで違った世界が広がっている。
日本国民が知っているマクドナルドは一部の情報と自分の体験から来る事実ではありますが、決して真実を言い当てているとはいえません。
代表的なものが「マニュアル主義」
企業として成長していく中、数十年前にはある種の希望の的でした。
今チェーン展開している業態はマニュアル化ですが、マクドナルドのシステムを参考に作ったものばかりです。
井アkにこのシステムが優秀かが分かります。今ではこのマニュアル化というものが味気ない人間味のないものを生み出したもののように語られます場合も少なくありません。
マニュアルはそもそも、ビジネスモデルの生み出す商品やサービスを具体的にどのような行動で実践するかについて記した、
「お客様が求める標準レベル」を満たしていく育成ツールとして存在している。
使い方を誤れば確かに没個性的なサービスを生み出すリスクもあります。
マクドナルドでは「手順」と「ポリシー」を同時に伝えながら、人材を育成していく仕組みを構築しています。
性格には「ポリシー」を共有したスタッフに「手順」をガイドとして提供するシステムが存在しています。
ここで大事なのは、マニュアルが正か悪かということではなく、そのビジネスが生み出している価値を全従業員が共有できているか?
そして、具体的作業がポリシーに基づいて運用されているか?がポイントなのです。
例えば、厨房内のほうきとチリトリで掃き掃除をするトレーニングをする際に、「機器の下も掃除するんですよ」と教えるのではなく、
「マクドナルドの厨房内にある冷蔵庫や冷凍庫、大型のグリルやテーブルに至る全ての厨房機器は床から15センチの高さに設計されているんですけど知っていますか?」
「実はほうきやモップがしっかりと置くまで入るように設計されているんですよ!すごいと思いませんか?」
と行動の意味が分かるよう伝えているのです。
ちなみに、こうしたトレーニングを担当するスタッフもアルバイト!
このようにアルバイトのスタッフがプライドを持ってマクドナルドのマニュアルやルールを語っている所にポリシー伝道の真髄が表れています。
マクドナルドの多くは「家が近い」「自由な時間で働ける」といった理由で働き始めます。
誰でも働けるマクドナルドでスタッフはいきいきと成長できる。
「決してこの船は一人の力では動かない。一人一人が全員のために力を発揮した時マクドナルドは前進していける」というメッセージです。
マクドナルドはクルーの存在を何より大切に考えています。クルーの成長のための投資や仕組みの提供を優先させています。
クルーの徹底した教育が今のマクドナルドを支えています。
マニュアルだけではなく、そこには温かい愛情があるのだと思います。
だからこそ、マクドナルドは数十年に渡り外食産業ナンバーワンなのではないでしょうか?