「ディズニー式サービス」佐久間の今週の一冊
2012年09月18日 日記
今週の一冊は、皆様大好きなテーマパーク。
小松田勝さんのディズニー式サービスの教えです。
2011年3月11日の東日本大震災は、世界中のビジネスに大きな影響を及ぼしました。
震災後の対応が国内企業の真価が問われる機会となり、企業の業績に打撃を与えるキッカケとなった。
東京ディズニーランドは震災から4月15日までの5日間、ディズニーシーは4月28日までの48日間休園を余儀なくされた。
一帯は埋立地のため液状化が起こり、地面が傾くほどであった。
パーク内はパニックに陥ったり、二次的災害が起きてもおかしくない状況。しかし、キャスト(従業員)は冷静に対応し、ゲストに安全を
確保するよう声をかけ勇気付けたのです。ディズニーのキャストは、日頃から教えられている「ディズニーフィロソフィー」を徹底し
ゲストを落ち着かせて誘導しました。当日7万人が来園、交通網が麻痺したため、約2万人のゲストがディズニーリゾート内で一晩
明かすことになった。パーク内でゲストが宿泊する非常事態はこれまで一度も起こったことがありません。
この様な非常事態下でも、キャストは「ゲストの立場に立つ」というディズニー哲学を実践したのです。
ブレることのないキャストの対応はおおくの感動をよびました。
その後ディズニーランドは子供達の為に8月まで割引料金設定を開始。この結果2011年の10~12月期の売上高が前年比6%増1216億円と過去最高を記録。
売上高営業利益率は30%と前年同期比3ポイントアップしたのです。
ディズニーランドにはお金には換えられない人をひきつける力がある。その魅力はディズニーランドで一番大切な
「世界中の人々に幸福の場を提供するサービス力」にあるのです。ゲストに思いやりのある温かいサービスを提供することこそが目的で、
それが「リピーター」を増やすことに繋がっています。ウォルトは人が感動するのは「人と人とのコミュニケーションである」と確信していました。
ディズニーランドは「パークは永遠に完成しない」というウォルトの哲学通り、永遠に未完成です。そのため、日々より良いものを目指し続けなければなりません。
それを支えているのがディズニー独自のサービス哲学。
・キャストはファミリーの一員
ディズニーランドでは大きな家でお客様を招待している。これがディズニーランドの企業理念。
ディズニーランドではホスピタリティ(思いやり)ではなく、コーテシー(礼儀正さ)を身に付けさせることで良質なサービスを提供。
人に対する思いやりや優しさが自然なコミュニケーションを可能にする
・ディズニーランドは永遠に完成しない
世界中の親子が楽しめるテーマパークを作る。そのためにはお客様・時代に合わせてテーマパークを変化。
永遠に完成せず、常に反転変化していくもの。
・全てのゲストがVIP
「有名人だから」「お金をたくさん持っているから」といった不公平な扱いをすることは無い。
・CSの前にESをあげる
キャストのことをファミリーと考え世話をする。CSの前にESを充実させるよう努めている。
入社後は新人キャストが一人立ちできるよう、先輩キャストがコーチングしながらフォローし、ディズニーランドの「気づき」と「気遣い」の
サービス方法を教育する。初めて社会に出るキャストでも、自然に覚え実践できる教育システムが確立されている。
・「安全」を最優先した運営理念「SCSE」
「SCSE」一番大切な「ゲストに幸福を提供する場」を実現するため、キャストがオペレーションの中で何を優先すべきかという運営理念。
S・・・Safety(安全性)
ゲストの安全・安心が最優先安全があってはじめてよい思い出がつくられる。
C・・・Courtesy(礼儀正さ)
全てのゲストがVIPという理念。相手の立場に立った態度。親しみやすいおもてなしを心がけている。
S・・・Show(ショー)
パーク内にある全てのものがショー。レストランでもショーの雰囲気が壊れないように注意。毎日が初演を忘れない。
E・・・Efficiency(j効率性)
企業の利益を優先しては、ゲストを幸せに出来ない。S・C・Sをまず最優先。ゲストにS・C・Sを感じてもらう。
優先度は安全性が一番である。
こういったディズニーの独自のシステムが、働くこと育てること感動を生むサービスに繋がっている
その結果が30年経った現在でも一番人気のテーマパークであり続ける所以である。