佐久間の今週の一冊
2012年05月14日
今週の一冊は浜田純子さんの「接遇力」です。
接遇とは、人によって解釈は様々だが、著者は「接遇とはお客様に対するおもてなしの心を表すこと」という表現をしております。
接遇は単なる形だけの「接客マナー」とは異なります。にもかかわらず「接遇」を接客マナーと同一表現し、あらかじめ用意した接客マニュアル通りに
現場の従業員に接客させるだけで、満足している会社も少なくありません。
また、直接接客に携わる従業員には、丁寧な接客を求めるにも関わらず、彼らをマネジメントする立場の人達が、実は接客に対する
マインドも知識も経験もない場合も多く見受けられます。
更に、接遇を行う為には従業員が気持ちよく安心して生き生きと働ける、環境を整えることが不可欠です。
にも関わらず、その点に対する配慮を欠いているために、従業員の接遇への意欲を失わせる企業も多い。
接遇は強制ではなく、自発的に従業員一人一人の個性の活かして行われるべきものです。
一律な接客ではなく個性を大切にしたかかわりであるからこそ、お客様への臨機応変な対応も可能となり、その結果、その時々の
お客様の気持ち、ニーズに最も適したおもてなしをすることが出来るようになる。
したがって従業員がこのような接遇力を身に付けた企業は、お客様に最上の接客を提供することができるようになる。
その結果、接客に対するお客様の評価が、一つのブランドとなり、企業の業績が大きく引き上げられる可能性があります。
その意味で「接遇力」は、現今の低成長時代の中で、サービス業や小売業を営む企業が生き残っていく為の最も高率な武器となるはずです。
接遇は満足感を得てもらえる接客が大切。
具体的には「気づく」「聴く」「届ける」の3つの要素からなります。
①気づく
相手がどういう状況か?何を望んでいるか?を気づく能力が必要
②聴く
お客様の立場に立って聴く能力。
接遇は意識して耳を傾けて聞くことが大切。
気づくになる為にはお客様観点で聴くことが大切。⇒立場や状況を考えて、お客様が本当に求めていることを意味します。
③届ける
気づいた後にお客様の心に伝える能力。
気づくと聴くによってお客様がどのような状況にあるのか、何を望んでいるのかを的確に把握することが可能となる。
それを前提としてお客様に「おもてなしの気持ち」を形として表す。
行動として示すことが、届けると言う行為です。
大事なのは、行動が心遣いとして相手の心に届いてなければなりません。
一方的に行う行為ではなく、相手に認知してもらってはじめて成功となる。
接客において、接客を行う行う際に必要な「接客マナー」は「形」でありそれに対して、それは「接遇」は「心」で行うものです。
接客マナー+「心」=お客様に対しての満足なサービス。
それはマニュアルに縛られない、おもてなしの心に基づいた接遇によってはじめて可能。
接客マナーと言う形の上に従業員一人一人の心遣いがあってはじめてお客様の心が動かせるのです。
高い接遇力は他社との差別化になります。
CSは広く企業に浸透しており、今やこれを重要視しない企業はない。
原点はお客様第一とし、どのようにすればお客様に満足していただけるかを常に考えることにある。
接遇はまさにお客様に満足して頂くために行うものであり、接客が必要になる業種ではそもそも欠くことのできないものなのです。
業務に加え接遇も重要な柱と考えなければならない。
経営者は「業務」と「接遇」の両輪がしっかりと回転してこそ「実務」のもたらす利益に「接遇」のもたらす利益が加わってこそ
自社がより大きく成長できることを十分に意識していくことが必要です。