「弱くても勝てます」佐久間の今週の一冊
2012年12月17日 日記
今週の一冊は高橋秀美さんの「弱くても勝てます」です。
開成高校は日本でも有名な高校です。
イメージといったら、秀才。やはり頭が良いイメージが個人的にはあります。
この本はその開成高校野球部を題材にした本です。
開成高校野球部というくらいですから、頭脳的・合理的にいかに勝つかを考えたID野球というイメージが強かったのですが、実際は全く違っていました。
部員は野球が大好きで、努力ももちろんしています。
「甲子園にいきたい」「プロ野球選手になりたい」今の高校野球部員が思うようなことも人一倍強くて、勉強の合間にストレス発散でやっているなどといった部員はいません。
練習は学校のグラウンドが使える週一回程度。
時間・グラウンド・施設・戦力全てが足りない中、戦略をきちんともった監督の下野球を行っています。
開成高校の野球戦略は、「フルスイング」ととてもシンプル。
打撃はとにかくフルスイングし、大量点を取りに行く野球。
守備はとって投げれれば良い。
ピッチャーはストライクが入れば良い。
といった、いわば超攻撃的野球なのです。
「ID野球」をやっていそうなイメージからは想像もつきません。
そんなチームは全国にどこにもないといってはいいのでしょうか。
5点とられても10点取り返して勝つ野球。これが開成高校のスタイル。
強豪校は決められたルールやセオリーの上でどれだけ工夫して自分達のよさを出すか考える。
世間が思う勝利への道筋などは高校野球にはたくさんあるが、開成はこのセオリーを無視しています。
自分達のスタイルを貫き通すのです。
「エラーは開成の伝統です」と部員達は口をそろえて言っています。
開き直っていえることはある意味すごいことだなと思います。
ヒットを打っても、フルスイングしないと監督に怒鳴りつけられ、手首を捻るくらい勢いのある空振りだと褒められる。
異常なセオリーで異常なことをして勝ち進むのが目的でもあります。
練習時間も実践と研究の場としている所も大変面白い。
実践したことを研究しまた実践する。このことを繰り返している。
開成高校野球部ならではの発想といえるでしょう。
理屈っぽい監督と選手のやりとりはとても面白く。偉大なミッションを彼らは成功させようと日々実践と研究を重ねている。
選手達の野球に対する熱い思いと現代っ子の少し冷めた部分が見え隠れする。
その温度差がまた面白い。
弱くても勝てる方法知りたくありませんか?(笑)