「小さくても一番の会社」佐久間の今週の一冊
2012年07月31日 日記
今週の一冊は「小さくても一番の会社」です。
この本の中には、日本人のものさしをかえる64社の会社がかかれております。
求められる人を大切にする会社。オンリーワンの会社。お客様に選ばれ続ける会社。
人材が育つ会社。前例を覆した会社。弱者に優しい会社。
以上の6つのうち一つに該当している会社ばかりがかかれています。
その中から私が特にすごいなと感じた会社をご紹介します。
高級メロンが年間9000個売れる商店街のくだもの店
「杉山フルーツ」
杉山フルーツは、静岡県吉原商店街で一番に活気に満ちています。
創業は1950年、現在の店員数はパートアルバイトを含め15名。売上高は1億2000万円。
代表者はフルーツアートの杉山清氏。
ギフト用の果物や連日完売になる生フルーツゼリーなど、高品質な付加価値商品を生み出し、価格競争に巻き込まれることなく量販店では実現できないサービスとして提供しています。
行きかう人の影もまばらな商店街の中で、見た目は普通の果物店ですが、一個5000~10,000円するギフト用の高級メロンを年間9000個あまり売り上げます。
これは地方の中小都市、しかもシャッター通りと化したこの立地で驚異的な数字です。
それだけでもお客様への商品への信頼と店主への信頼、いかにこの店が支持されているかがわかります。
また、ヒット商品「フルーツアーティスト杉山清の生フルーツゼリー」は、最も旬のフルーツだけを使用しています。
ジュニアベジタブル&フルーツマイスターの資格を取り、商品の価値を高めると共に、販売量を増やさず、販売場所も限定しています。
このように、徹底的に「価値」にこだわったことが人気に繋がりました。
しかも、商品に自信と自負を持ちながらも人気におごらない、これが多くのお客様に支持されている理由です。
昭和57年当時、商店街に大型店が2店舗もあり、それが集客装置となっていました。
平成6年にこの大型店舗が撤退し、120あった商店街は一挙に69店舗にまで激減。
このままではつぶれてしまうと思った杉山氏は、3つの改革を考え実行に移します。
一つ目は「贈り物需要への特化」
それまでは、高級品から熟しきった特売品まで何でも有の品揃えだったが、ある特定の創に絞込みをしようと考えたのです。
そした、地元農家を訪ね歩くなど、自ら仕入先を開拓し、手間を惜しまずに仕入れた商品は一つずづ検品、少しでも痛んでいるものは
絶対売らないというポリシーを固持しつづけています。
二つ目は「インターネット活用」
広告宣伝費に使うお金がなかったことから、ネット社会が到来するといち早くインターネットを活用し始めました。
内容には様々な工夫を凝らし、訪れた人が楽しめるようにもした。
例えば、商品のラッピング事例を写真入で紹介し、りんごやオレンジ、ぶどうなどのなじみの果物たちの変身ぶりを楽しめます。
また、社員紹介や顧客もメールを紹介する「お便りだけがたよりです」など、ネーミングもユニークなコーナーがたくさんあります。
情報発信が功を奏し、全国規模でのファンの獲得になっています。
三つ目は「接客態度」
以前はお客様が入ってきて飼いたいものがあれば売るだけ、といった接客態度でしたが、「親切丁寧にしなければお客様からは支持されない」
といあたりまえのことに気づき改めたのです。そしてお客様への感謝の気持ちを忘れず、いつでもお客様の都合で購入していただけるように年中無休となっています。
ビジョンは今もこれからも「損得よりも善悪」「人生と商売に勝ち負けはない」「景気不景気は経営者次第」「身の丈にあった商売をする」
という姿勢、考え方を変えずにとにかくお客様へ良い商品を提供していくことです。
お客様の支持がある。お客様に選ばれるということは、簡単なことではありません。杉山フルーツはビジョンどおり一切ブレずに進んでいるからこそ支持されるのではないでしょうか。