« 新型ソリオ・バンディット! | TOP | BANDIT入荷しました! »

佐久間の今週の一冊

2012年06月25日 日記

今週の一冊は、でんかのやまぐち代表取締役社長山口勉さんの「町の電器屋さんが大切にしていること」です。

東京町田にお店を構える町の電器屋でんかのヤマグチは社員・パート・アルバイト合わせて50名弱の会社です。

この会社のすごい所は14期連続黒字で、しかも借入金がゼロというところです。

十数年前に一度会社存続の危機に立たされました。大型家電店が続々と進出してきたのです。

初めは「安売り価格に」出来る限り近づけようと努力をしたそうです。ですが所詮、砂漠にホースで水を撒くようなもので、単なる時間稼ぎにしかなりませんでした。

量販店とは卸値からして違うわけですから「安売り」で勝てるわけがありません。

山口社長はその時突然ひらめきます。「量販店と逆のことをやってみよう」と。

そして、でんかのヤマグチは「高売り」をすることとなりました。

高売り=利益率のアップというわけです。

売上が落ちても、その文利益率が上がれば以前と同じ利益が確保できると考えたからです。

次のことをまず行いました。

①お客様を三分の一に絞る②商圏を狭める③取り扱いメーカーを一社に限定する

そこでまず始めたのは、御用聞き営業いわゆる「裏サービス」の徹底でした。

家電に限らず、お客様の困りごとを無料で解決することでした。

このことは地域に根付いて商売しているものしか出来ない商売です。

「何か困ったことがあったら連絡してください。でんかのヤマグチはトンデいきます。でも料金は頂きません。」と

名刺の裏にもこう明記してあります。

お客様がお店を選ぶポイントは「価格」だけではありません。他より、多少値段が高くても、質の高いサービスが受けられればいいという方も確実にいます。

お客様にとことん尽くす。喜ばれることをする。という商売の原点、お客様を大切にするということでした。

①お客様にまつわる大切なこと

・思い切って選別

3万世帯あったお客様を3分の1の1万世帯にすると、1世帯にかける今までより2倍3倍時間を増やせます。

ただ単に増えればいいというのではなく、毎年3月と9月に選別し常に1万世帯を維持を保つ。

基準は5年以内に一度も買っていない人です。

・ごひいきにしてくれる人はクレジットカード払い

現在ヤマグチでは6対4の比率でクレジットカードが使われています。

専用のクレジットカードがあり、このクレジットカードで購入する人はお店に全てお任せしている人です。

クレジットカード比率は金額に関係なくお店を信頼してくれている証なのです。

・ちょっとした約束事はこちらが忘れていても、お客様は忘れない

お客様との約束事は当たり前ですが絶対。ちょっとしたことも同じで「忘れた」では済まされない。

・「会社と社員」の2本のベルトでお客様を離さない

ベルトが1本だけの会社はそれが切れたとたんお客様は離れていきます。

ベルトが2本の会社は、1本が切れても残りの一本でお客様をつなぎとめることが出来ます。

2本以上のベルトを持っている会社はお客様を離さない。

「社員とお客様」「会社とお客様」この2本のベルトが大事なのです。

・修理のお客様に売り込みをしない

修理に来店される方は、買い物に来たわけではなく修理に来ています。

修理客と買い物客の客質は全く違います。重なる部分はありません。

お客様は何を求めているのか?見極めを誤ると離れて行ってしまいます。

②販促にまつわる大切なこと

・来てもらう理由がなければ、こちらで作れ

でんかのヤマグチでは毎週末イベントを開催しています。

IHクッキングヒーターによる料理教室。マッサージ器を使った健康サロン。変わった雑貨やちょっとした食品の販売。

お米やお酒もあります。金やプラチナの買取などなど・・・

仕掛けをたくさん用意しているのです。基準は喜んでもらえるか、あるいは「ちょっと面白い」と感じてもらえるか。

土日のイベントは命です。30年以上雨の日風の日欠かしたことはないそうです。

大切なのは続けること、維持すること、絶やさないこと。

・お客様の視界に入るのは2人まで、それ以上いると気まずい

たくさんの人に挨拶されると、店は歓迎ですがお客様はびっくりされます。

ゆっくりと見てもらう為には、2人以上いるとその視線を気にするのです。

どの様にしたらお客様がゆっくりと店内を見て回れるのか考えたことはありますか?

・来店されたらまずテーブルに案内。座ってコーヒーを

一度利用したお客様が来たら、まず座ってテーブルに案内。

立ったままではゆったりと話が出来ないからです。

店内には10箇所の商談スペースを設けています。

お客様にお茶を出すのに毎月十数万かかりますが、それだけの価値があります。

お客様が見えたら声を掛けて、とにかく座ってもらう。立ち話は出来るだけ避ける。商談はそれからです。

・入りやすいお店、入りにくいお店。その差は「人」

両者の決定的な違いは「人」

喜んで迎え入れる努力をしているのか?

喜んでもらう仕組みづくりをしていますか?

③営業にまつわること

・高売りに欠かせないもの、それは営業マンです。

暇があれば必ずお客様の所へ。ヤマグチでは店売りが35%外売りが65%と非常に外売りが多い。

これがヤマグチの特徴です。

安売りができないなら営業マンの力で売上を上げる。

・2人1組のペア作り

2人1組で働くペア制を徹底しています。

2人が同時に休むことがないため、お客様にすぐに迅速に対応ができます。

「本日〇〇はお休みでして・・・後日対応いたします」こんな言葉は出ることはありません。

・商談すべき相手、実は奥様ではなくご主人

たいていの家庭は奥様が財布の紐を握り、OKを出すのも奥様という家庭が多い。

ですが、あえてご主人に向けて一生懸命訴えましょう。すると「こんなに熱心に勧めてくれるけどどうする?」と

いうことになり商談がスムーズに進むかもしれません。

奥さんばかり連呼しているとご主人はへそを曲げてしまうかもしれません。

・商品の故障

壊れたのはモノだけではない「心」も壊れている。

言葉に表れなくても心は壊れています。

商品を直すことも大事。ただし一番ではありません。

まず一番にすることは心のフォロー。

「商品が壊れたときには、お客様の心も壊れている」ことを忘れずに。

この商売の最大の強みは一対一の顔が見えることである。

「小さい会社は、小さな会社なりの幸せをつかめればそれでいい」

それは、会社にとって様々ですが、お客様から直接言ってもらえる「ありがとう」だったり、社員が一体となって頑張れることだったり、ほんの小さな幸せである。

それを実現するには、会社・お店の一番の強みはなんなのかをしっかり考え着実に実行していくことです。

同じお客様一対一の商売として参考になるものばかりでした。

お客様に更に喜ばれること、考えていきたいと思いました。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://tax-isozaki.co.jp/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/500

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)