今週の一冊「幻想郵便局」
2013年09月30日 日記
今週の一冊は堀川アサ子さんの「幻想郵便局」です。
友人たちが就職を決めた中、阿部梓は短大を卒業後も就職が全く決まらずに就職浪人をしていた。
周りと比べ、就職活動が遅れていたのである。
そんな時、アルバイトの求人を紹介された。梓の特技「探し物」を見込まれてのことだった。そのバイト先とは登天郵便局。
それは、あの世とこの世をつなぎ、死者と聖者の間にメッセージを送り届ける特殊な郵便局だった。
梓の任務は、郵便局の土地の権利書を探すこと。
この郵便局は亡くなってしまった大切な人へ想いが届けられたり、幸せそうに旅立っていく。
作者の堀川さんのそうであって欲しいっていう優しい気持ちが込められている。
急に話しの展開が変わったり、ホラーという内容でもあるがなぜだか、ほんわり温かい内容になっています。
権利書を見つけて神社から郵便局を守れるのか?真理子さんを殺したのは誰なのか?
ゆっくり謎を探しつつも、生者と死者が巡る郵便局を中心に様々な探し物を探し出す梓の人柄がだんだん変わっていく姿は読んでいて面白い本でした。
亡くなる寸前の人たちに接する人たちの気持ちや、死者の心の声がこんな風に聞こえているのだなと思いました。
生と死を考えさせられた一冊でした。