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今週の一冊「傷だらけの店長」

2013年09月09日 日記

今週の一冊は「傷だらけの店長」です。

「ただ、本が好き」で書店でアルバイトを始め、やがて書店員から「店長」となった著者が、閉店に追い込まれるまでの悪戦苦闘の日々が書かれています。
「どうしてわたしは書店員であり続けるのだろうか」と、自問する著書の深い深いため息と共に、書店の店長の労働実態が明らかにされている。
現在の書店業界は、書店・書籍の量は増え続けている、一方で売り上げは減退。今、書店の置かれた状態は、「ただ入ってきた客を待ち、客を待っていりゃいい」という過去のイメージから、はるか遠くにある。大型店の出店により、小さな書店は潰れている。なにしろこの十年で、全国で5000軒の書店がつぶれているのだ。
連日山のように届く商品本の棚卸し、毎日のお客からの問い合わせ、営業マンへの対応、追加注文、伝票処理、そして万引き犯との逃走劇などなど・・・・・これでもかという程の仕事の量。
どんなにボランティア労働に追われても、人員補充は夢のまた夢で、安い時給ではアルバイトも寄りつかない。むしろ本部からノルマをクリアするために自費で本を買うありさま。

突如現れた大型店に、お客を取られ売り上げは激減。本部から売り上げを上げろと毎日の電話。

理想と現実のギャップがリアルに描かれた一冊です。

好きだからではなく、好きだからこそ葛藤に苛まれるというのは本当に考えさせられます。それを乗り越えられるかどうかで決まる時もあるのだろうかと思いました。

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