今週の一冊
2013年12月02日 日記
今週の一冊は東野圭吾さんの「疾風ロンド」です。
泰鵬大学の医科学研究所で極秘裏に開発された禁断の生物兵器「K-55」。拡散すれば人々を大量死に陥れる威力を持つ生物兵器であった。ある日、その生物兵器「K-55」が医科学研究所から盗まれた。犯人はその医科学研究所研究員・葛原であり、その生物兵器「K-55」の開発者であった。
犯人の葛原は、スキー場らしき場所で撮られたテディベアの写真を送り付け、「この場所と発信器を取り付けたテディベアを見つける方向探知受信器が欲しければ3億円を用意しろ。」と医科学研究所の所長・東郷を脅迫してきた。しかし、あろうことかその葛原が、脅迫してきた当日に事故で亡くなってしまう。
葛原が亡くなったことで方向探知受信器は手に入れることができたが、逆に、その写真の場所がどこであるのかが聞けなくなってしまった。おまけに、テディベアに取り付けられた発信器のバッテリーは1週間しか持たず、それまでに見つけ出さなければ回収不能となる。生物兵器「K-55」を納めたガラスケースは、10度以上になると破損する仕掛けが施してあり、そうなれば多くの犠牲者が出ることになる。
そこで東郷は、医科学研究所の主任研究員・栗林に「K-55」が隠された場所を突き止めることを命じる。栗林は、スノボー好きの息子の協力を得て、なんとかそれらしいスキー場を探し当てる。そして、息子を案内役に引き連れてそのスキー場へと向かうが、予想外の出来事が次々と彼等に襲いかかる。
現実的にあり得ない設定、あり得ない展開と思いつつも、楽しく一気に読ませる技術はさすが。まさに疾風で読み終えた一冊でした。