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今週の一冊「トッカン」

2013年11月02日 日記

今週の一冊は高殿円さんの「トッカン」特別国税徴収官です。

滞納者から税金を取り立てる徴収官を描いた職業小説であり、「ぐー子」こと新米徴収官・鈴宮深樹のメインとした小説。
ぐー子は物語の主人公として決して綺麗ではない。実家は関西で和菓子屋を経営。その和菓子屋が経営危機に陥ると、ぐー子の父は二重帳簿をし、脱税をする。その脱税は税務署に見つかり、追徴課税を取られる。徴収官は敵だと思っていたのにまさかこの職業に就くなんて・・・・
日本で最も被害者が多い犯罪は脱税。悪質滞納者にズバッと正義の鉄拳を食らわせてスカッとするお話ではなく何故なら国民全員が被害者だから…という掴みに始まり、ぐー子が対応する滞納者たちには色々なタイプがいて。高級外車とブランド品に囲まれても税金を払わない人もいれば、驚きの脱税手段や税金を払いたくても払えない者、払えるのに払おうとしない者など、徴収官が向き合う事になる様々なケースが作中で描かれていて、それらを通して自ずと「税金」やそれを取り扱うのが仕事にする人達に関する知識が流れ込んできます。「税金」というものが、国の血肉となっているというこのことを今一度よく考えてみるのも一つだなと思いました。
税金というもの、それを徴収するシステムについても考えさせられるものがありました。

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