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今週の一冊「モダンタイムス」

2013年07月22日 日記

今週の一冊は伊坂幸太郎さんのモダンタイムスです。 

システムエンジニアの渡辺拓海は、職業不詳の謎が多い妻・佳代子から浮気を疑われ、彼女に雇われた髭の男から拷問され、追及を受けていた。そんな折、はた迷惑だが腕は確かな会社の先輩・五反田正臣が仕事を放り出して失踪してしまった。ごたんがやり残した業務を後輩の大石蔵之助と一生に引き継いだ拓海は、プログラムに不審な点を見つけ、「播磨崎中学校」などの検索キーワードがネット上で監視されているとの疑いを抱く。事実、その言葉で検索を実行した人間は、多くが奇禍に見舞われた。思い余った拓海は、友人の作家、井坂好太郎に相談を持ちかける。その相談に意外な人物も合流し、彼らは少しずつ深層に近づいていく。

個性豊かな登場人物が繰り広げる掛け合いと探求は、ユーモアを忘れず楽しげに綴られています。譲れない一線を各自が持っており、ふとした時に彼らの決意や気持ちを綴った台詞が飛び出す。加えて後の展開の伏線となるキーワードも出てくる。主人公たちは次々と襲ってくる様々な難局をあの手この手で乗り切っていく。ただ、主人公たちが決めた決断は決して正しい答えとして表現してはいない。ほかにも様々な考え方や身の振り方が有ることが書かれています。さらに、早い段階から、複数の登場人物が自分の頭で物事を考えるのは重要だと書いている。「システムの歯車になるか、歯車につぶされるか」という二択に敢然と立ち向かう拓海たちのドラマが書かれている。

拓海たちの勇気のある生き様が書かれていてなんとも言えない気分になった。震災や原発事故など様々なことが起こった日本。国家や社会を見つめ直さなければならない機会が増えていると感じました。

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